ピアノ教本、かしこく選ぼう

音楽ライター・ピアノ教本研究家、山本美芽によるピアノ教本を研究するブログです。

幼児のためのピアノメトーデ たなかうめよし

アマゾンの古本で買いました。昭和30年代に出てかなりのロングセラーだったんですね。私は見たことなかったけど、使った方もけっこういるのかな?

幼児のためのピアノメトーデ(1)


イントネーションの上下がメロディとちゃんと対応してます。このへんピアノ教本だとあってないものも、特に翻訳ものでは多いのですが、子どもは、やっぱり、あっているものを喜んで鼻歌で歌いますからね。


ライティング研究会の先生方からのコメント。

内田敦子先生
ピアノメトーデ、教材として使ってました。読譜力怪しい生徒さんのため、ブルグの橋渡し的な位置で。中途入会生徒さんは初見で進めて、読譜の物差しにしてました。
現在ほど、バラエティな教材が無かった頃です。


押見雅子先生
大村典子先生推奨の教本で、バイエル上巻より効率よく学べたので、敦子先生と全く同じ使い方をしていました。夏休みの宿題として1冊全部弾いておいてね〜ということをしていました。

これ幅広く使えます!幼児の…とあるところを消して。笑

幼児のためのピアノメトーデ(1)



少し学年が上がって始める子、シニアの方、保育士の方、これがいけますね。


中西美江先生
かなり使えますよ^ ^ 先ず一冊にミドルCあり大譜表あり、バイエルのような高音部譜表あり! 一冊でオッケー!
特に最初の1〜20はCメロ譜なので、両手奏20くらいバリエーション考えて弾いてもらいます。
scaleも和音も学びやすいです。
順番に進むのではなく、課題別に進むとスムーズに読譜力もつくし、和音進行も学べるし良いです。

無難な和音が多いので、ポピュラーよりの私は
ギロックを始めカワイから出版されている日本の作家さんの曲を挟みこむ事が多いです。
そして
ブルグへは進みやすいです、多分そこへ向かおうとしているのか?とも思います。

2は随分前に絶版になりました。
チェルニーからの挿入が多かったです。 
100番をいくつかと指の練習、左手の練習からの抜粋もありましたね。

今でもかなり使っているだけに、熱く語ってしまいました・・・(^_^;)




アマゾンでは古本のみの扱いですが、楽器店や音楽之友社のサイトでは売っています。

山本のピアノ教本セミナーの予定はこちら。



田村智子先生のぷち・わかーるピアノが素晴らしい

2歳児さんから使えるリトミック的、音楽あそびからピアノにつなげるアプローチが素晴らしいです。

譜読みの教えかた、構成はアメリカ教本、歌や音楽性、イラストは日本風。和洋折衷の傑作。

バスティン2からの乗り換え

ライティング研究会でのディスカッションから要約してご紹介。

 

 

 

WP202J ベーシックス ピアノ(ピアノのおけいこ) レベル2 (バスティンピアノベーシックス)

WP202J ベーシックス ピアノ(ピアノのおけいこ) レベル2 (バスティンピアノベーシックス)

 

 

 

 

 

 
【質問】
バスティン2からオルガンピアノ3に移行したのですが、バスティン2のピアノのおけいこに続く教材、どれがいいのかわからなくてちょっと困ってます。
指が随分しっかりしてきたし、物分りは良い子で、オルガンピアノ3は、途中からでもいいと思ったのですが、本人の希望で最初からやっています。かなり、余裕がある状態です。
いい教材ご存知でしたら、教えてください。
 
色々な調を沢山弾くのもいいのですが、かなり長くバスティンをやっているのて、変化が欲しくなりました。
16分音符がなかなか出てこないのも気になります。
 
 
 
【回答】
ラーニングトゥプレイ2と3を差し込んでいます。
そのへんでつまずいた子はアルフレッドピアノライブラリー基礎コース1bと2で乗り越えています。ヤマハピアノスタディのレパートリーの選曲も好きです。
 
(O先生)
 
 
私もラーニングトゥプレイです。
プレインベンションやヤマハミュージックライブラリーの中のバロックポリフォニーに進ませたこともありますが、上手くいく生徒さんとそうでない生徒さんがいました。
(H先生)
 
 
バスティン2からオルガンピアノの3最初からはたしかに易しいかもしれませんね。余裕があるのなら、いっそのことオルピ3は基礎固めの踊り場ととらえて、4を同時進行してしまうのもありかなと思います。3は簡単だからどんどんやろうね~、4はチャレンジだよ~、とか言って。
バスティンは2までだとほとんど左手を動かしていないので、そこを補える教材もいいですね。そういう意味ではバイエル後半でも。
 
あと、バスティン2終了だとメジャーのCFGDAEまで知っているので、トンプソン1の後半とかもいいかもしれません。
曲もなかなか面白いです。
 
ちなみに私はバスティンベーシックスとオルガンピアノ、弾けるよジュニアシリーズ、3冊並行で教えている子が多いです。
 
うちにも3に進まない子がいます。
本当はマイナーをがっつり学べるのでやりたいのですが、なにせ、短調が続くので、生徒によっては厳しいようです。良く出来る子は3は片手間に?やっていきます。
譜読みに時間がかかり、弾くのも苦労するタイプは、3は難しく感じることもあるので、違う本に行くことが多いです。
(F先生)
 
左手を動かす意味でも、簡単なポリフォニーの楽譜を入れてみてはいかがでしょうか?
(M先生)
 
【山本より補足】
バスティンの3は、♭5つの Des Dur、半音階、三和音の展開形、指ひろげ・指くぐり、a moll、d moll などの短調が出てきます。16分音符は出てこないですが、理論的にはかなり難しくなってきます。理屈に弱いお子さんだと、もうちょっと調の種類が少ない教本のほうが楽だなぁと感じるかもしれませんね。

ヤマハなんば店セミナー アンケートより

ヤマハなんば店でのセミナー、アンケートをいただきました。

全体的な傾向をまとめると、生徒が忙しすぎて練習してこれない。しかし楽器店に行っても新刊が多すぎてどれがうちの練習してない子に合う楽譜なのか、わからない。ということでしょうね。

今後の教本セミナーでも、練習してこない生徒に何をやらせればいいのか、何パターンか提示して、その選ぶポイントをお話ししていきます。

 

来年は、1月・2月にカワイ横浜、3月に高崎・広島で教本セミナーが決まっています。

ピアノの先生のためのセミナー

 

 

以下アンケートのお声を抜粋で。

 

●知らない教材がたくさんありました。見たことがあっても使ってみる結城がないものもあったし、研究してみようという本も見つかりました。

 

●初見の練習に適した教材もあり、練習する時間のない生徒などに使ってみようと思います。

 

●昭和の王道でレッスンを受けてきました。新しい教材を取り入れて、生徒さんに楽しんでいただけるよう工夫していきたいです。

●パラパラ見るだけではわからないポイントや教本セミナーとは違い、使う立場でのアドバイスがとてもよかったです。

●何の教材がいいのか、いまさら誰にもきけなくて、とりあえず最初に使った本(バイエル、オルガンピアノの本、みんなのおけいこ、ソナチネ、ブルクミュラー)をずっと使ってきました。今日、いろいろお話が伺えて、ほかにも気になっていた本の特徴などが聞けてとてもよかったです。

 

●フルートの講師をしています。いまピアノを習っている生徒がどんなレッスンを受けているのか知りたくて参加しました。ピアノからフルートに変更した生徒を教える参考になりました。

●広島からの受講でしたが、とても勉強になりました。あまりにも新刊が多く出版されていて、把握できないものだらけで、いつもの教材から抜け出せないままでした。今日のセミナーを受けたので、再度楽譜の中身を見直してみようと思います。

 

●最近新しいメソッドが沢山出ていて、そのたびに買うのですが、実際には子どもに渡すことなく、自分の勉強のみになっています。メインでは、ピアノランド、バーナムを使い、理論のために最近バスティンを導入しています。

 

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ちなみに、レッスンの悩みや問題点についても書いてくださいました。

 

●中学生になると忙しくてやめる

●教材が多すぎて、生徒さんにあった教材を探すのが大変

 

●他からうつってきた生徒の修正にどの教材を使えばいいか悩む

●家庭の協力をしていただける生徒さんと、そうでない場合の差が大きい

●練習しない生徒。生徒が少ない

●練習してこない。本人が心から楽しんでいるのか不安。

●練習時間がとれない子が多いです

●子どもたちが忙しすぎて、グループレッスンでやりたいこともできない。

●つまづく生徒を続けさせるレッスン方法。テキストのりかえも重要ですね。

●教本にあわせての曲集選びに困っています。

●幼児の導入のしかたやテキスト選び