ピアノ教本、かしこく選ぼう

音楽ライター・ピアノ教本研究家、山本美芽によるピアノ教本を研究するブログです。

マールプルクのピアノ教本 1750年、1755年

バイエルピアノ教則本は1850年ドイツのショット社が初版であると、安田寛先生が調べられました。

それよりも昔から、鍵盤楽器の教本というのは存在していました。

バイエルが出るおよそ100年前の1750年、マールプルクの

Die Kunst das Clavier zu spielen 

の初版が出ています。

 

pdfで見られる楽譜がネット上にないか探してみました。

マールプルクについてまとめたページ

Friedrich Wilhelm Marpurg – Wikisource

ここから初版以降の4つのバージョンが見られます。

 

文章ばっかりで、楽譜が少ない。しかも楽譜も、ドレミファソラシドがどこにあるのか、音符の長さ、休符の長さの図みたいなものが多く、いわゆる初心者が弾けそうな簡単なフレーズなどは載っていません。

 

もうひとつ、1755年にもマールプルクは鍵盤楽器の教本を出しています。

Anleitung zum Clavierspielen

これもスキャンしてあって見られるのですけど、

文字ばかりです。

 

MDZ-Reader | Band | Anleitung zum Clavierspielen / Marpurg, Friedrich Wilhelm

 

私には1700年代のドイツ語を解読する能力はなく、詳細については

ご専門の音楽学者の研究成果を参照したいと思いますが、

これらの文字ばかりの解説書の体裁では、現代の導入のレッスンでは使えませんが

100年後のバイエルになると、いまもレッスンで使えている。

この進歩は、すごいです。

 

 

ピアノ教本ガイドブック 生徒を生かすレッスンのために