ニュースタンダードピアノ曲集 バルトーク ミクロコスモス(1&2) (ニュー・スタンダード・ピアノ曲集)
- 作者: 末吉保雄,パップ晶子
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2008/01/28
- メディア: 楽譜
- クリック: 2回
- この商品を含むブログを見る
ニュースタンダードピアノ曲集 バルトーク ミクロコスモス(1&2) (ニュー・スタンダード・ピアノ曲集)
ピアノ教本によってポジション移動が出てくる順番は大きく異なります。
例えばオルガンピアノでは1巻ですが、ピアノひけるよジュニアでは3巻です。ピアノランドでは2巻、ぴあのどりーむは3巻、バスティンベーシックスは1巻です。ポジション移動になって混乱するお子様はある程度の割合で必ずいて、自信をなくして退会する事例も少なくありません。
いつポジション移動が出てくる本を与えるか、指導者は生徒の能力や家庭での練習状況を観察して選ばなければなりません。
4月から、この「乗り換え」をテーマにしたセミナーを各地で行います。
4月27日渋谷
5月1日金沢 楽器センター金沢http://gckanazawa.kaishindo-music.co.jp/pianos/2017/04/17/51山本美芽先生公開講座コーナー!/
6月29日 東京 池上スター楽器
7月13日 東大阪 小阪楽器
9月6日 浜松カワイ
単行本もあわせてご覧ください。
ポジション移動がどのようにそれぞれの教本で扱われているか、売れ筋5冊は、全曲を弾きながら検討します。
Versuch über die wahre Art das Clavier zu spielen – Wikisource
やはり文章が多くて、教則本というより解説書といった見た目ではありますが、
マールプルクの本よりは楽譜が多いです。
Seite:Versuch über die wahre Art das Clavier zu spielen Teil 1 1759.pdf/129 – Wikisource
このような教材曲も載っています。
Seite:Versuch über die wahre Art das Clavier zu spielen Teil 1 1759.pdf/135 – Wikisource
載っていますが、やっぱり現代のレッスンではこのままでは使えないですね。
広島大学紀要に載っている小野亮祐先生の論文
その後に発表された北海道教育大学釧路校研究紀要に載っている小野亮祐先生の論文
http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/7307/1/kusiroron-45-11.pdf
などが、日本語でのわかりやすい論考なので参考になります。
ざっくりいうと、この時代のピアノ教本は、指使いや装飾音などについて書いてあるので、初心者向けの手ほどきというのとは趣旨が違います。
でも、小野先生が論文のなかで指摘されていますが、マールプルクは「静かな手」、つまり5指ポジションが初心者にはやりやすい、という趣旨のことを述べており、その後19世紀の教本では5指ポジションから始めるものがいくつも見られている。
5指ポジションという考え方が18世紀後半にあり、19世紀になって実際の楽譜教材となってくるわけですね。
山本の新刊予約はこちらです。
ピアノ指導者のためのピアノ教本ガイド https://www.amazon.co.jp/dp/4276148006/ref=cm_sw_r_cp_api_3Hn4ybWVKQJ09
バイエルピアノ教則本は1850年ドイツのショット社が初版であると、安田寛先生が調べられました。
それよりも昔から、鍵盤楽器の教本というのは存在していました。
バイエルが出るおよそ100年前の1750年、マールプルクの
Die Kunst das Clavier zu spielen
の初版が出ています。
pdfで見られる楽譜がネット上にないか探してみました。
マールプルクについてまとめたページ
Friedrich Wilhelm Marpurg – Wikisource
ここから初版以降の4つのバージョンが見られます。
文章ばっかりで、楽譜が少ない。しかも楽譜も、ドレミファソラシドがどこにあるのか、音符の長さ、休符の長さの図みたいなものが多く、いわゆる初心者が弾けそうな簡単なフレーズなどは載っていません。
もうひとつ、1755年にもマールプルクは鍵盤楽器の教本を出しています。
Anleitung zum Clavierspielen
これもスキャンしてあって見られるのですけど、
文字ばかりです。
MDZ-Reader | Band | Anleitung zum Clavierspielen / Marpurg, Friedrich Wilhelm
私には1700年代のドイツ語を解読する能力はなく、詳細については
ご専門の音楽学者の研究成果を参照したいと思いますが、
これらの文字ばかりの解説書の体裁では、現代の導入のレッスンでは使えませんが
100年後のバイエルになると、いまもレッスンで使えている。
この進歩は、すごいです。
火曜日の夜に移動して、水曜日に
ピアノ教本セミナーです。
カワイ梅田は初めて。素敵なシゲルちゃんこと、シゲルカワイのピアノがあるんですよね。
全国各地でお話してきましたが、まだまだ行ってないところ、たくさんありますね!
「ピアノ教本、くらべてみよう」
[日程]
1/18(水)10:30-12:30(大阪)
[会場]
カワイ梅田 コンサートサロン“ジュエ”
(所在地:大阪府大阪市北区梅田1-1-3)
[受講料]
会員 2,500円 (KLC, 音研会, ピティナ, カワイメンバーズ)
一般 3,000円
[使用教材]
「ムジカノーヴァ2017年1月号」(音楽之友社)
※当日会場で販売致します。
[内容]
日本で現在使われている主要なピアノ教本には、海外から輸入されて定着したものと、それらの影響を受けて作られた国産のものがあります。これらについて、全体の大まかな歴史とポイントを概観します。具体的にはミドルC、全調、スキップとステップ、連弾、歌詞、図形楽譜・文字譜、音楽スタイルなどの観点から考えます。
<紹介テキスト>
・バイエル
・メトードローズ
・トンプソン
・ペース
・バスティン
・バーナム
・ピアノの学校(ハンガリー)
・アルフレッド
・オルガンピアノの本
・みんなのグローバー
・ピアノコスモス
・うたとピアノの絵本
・ピアノランド
・すくすくミュージックすくーる
・ピアノひけるよジュニア
・ぴあのどりーむ
・ピアノアドヴェンチャー
・ロシアンメソッドによる初級テキスト ほか
お申し込みはこちらです。
http://www.piano.or.jp/seminar/list/smmb_s_info/2014211
ご質問大募集。いま書いている単行本「ピアノ教本ガイド」に、Q&Aのページをもうけたいと思います。
選び方、併用のしかたについて、ご質問をお寄せいただけないでしょうか。
ナントカとナントカを併用しているが、うまくいかない
ナントカをやらせたら難しいみたいで、どうしたらいいか
みたいな感じで大丈夫です。
単行本に採用の際は、ご質問は匿名、巻末にご希望があれば取材協力にお名前掲載させていただき
ご協力ぜひいただければ幸いです。